ネグロス・キャンペーン岡山が「フェア・トレード商品を体験する・楽しむ〈カフェ&トーク〉」を10月17日(土)に主催し、40名の老若男女が参加した。
オルター・トレード・ジャパン社(ATJ)が扱っているフィリピン産バランゴンバナナや、インドネシア産エコシュリンプの試食、東ティモール産のコーヒーなどを試飲しながらフェア・トレードについて学んだ。
有竹事務局長により進行され、DVD「もっとフェア・トレード」を鑑賞した。予期せぬ価格変動や、仲買人の言い値で売るしかないアンフェアな取引では、生産者の生活が不安定で、児童労働に頼らざるを得ない場合もあり、品質を向上させることが難しかった。
そもそもフェア・トレードとは何か?
特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパン(FLJ)によると、フェア・トレードの定義とは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」を いう。
1980年代前半に起こった砂糖の国際価格の暴落。砂糖の価格が上昇するまで、農園地主が砂糖キビの生産を中止したため、農園労働者の仕事がなくなり、食料が買えず、UNICEFの報告では15万人の子どもが飢えた。当時、日本国内には、フィリピンの人権問題や、日本の企業進出問題に関わる団体が「フィリピン問題連絡会議(JCPC)」というネットワークを作っており、この飢餓を救うための緊急キャンペーンを行うことがメンバー間で確認され、日本ネグロス・キャンペーン(JCNC)が発足、ネグロスへの緊急援助が始まった。ネグロス・キャンペーン岡山は1986年に設立され、29年目を迎えた。
日本ネグロス・キャンペーン委員会から生まれ変わった特定非営利活動法人APLA(Alternative People’s Linkage in Asia)事務局の大久保ふみさんによると、2008年には80億円だった日本のフェア・トレード市場は、2012年には150億円になった。多くの人が参加できる貢献で、生産者が市場を選べ、消費者にとっては生産者の顔が見える。横に繋がり社会のためになる経済活動が社会の在り方も変えるかもしれない。
最後に、参加者にとってのフェア・トレードの魅力をシェアした。安心・安全で信頼できるものを作ってくれている、持続可能な生産活動であり経済活動、みんなが幸せになれる、売買だけでなく人と交流ができる、フェア・トレード製品をプレゼントしたい、との声が上がる一方、男性参加者からは、高いイメージがある。買うものがないといった意見もあった。
日本で3番目のフェアトレードタウンを目指し、岡山市北区出石町のコットン古都夢で活動しているという「岡山フェア・トレードの会」の紹介もあった。